About Area Dose Product Monitor


しかし、近年面積線量計の臨床利用を目的とし、IECよりIVR基準点(右図参照)が設けられた。現在はこの基準点での値が殆どのメーカーの装置で把握できるようになり被ばく管理に大いに役立てられてきている。
今後の有効利用が期待される。


面積線量計の値を臨床で使用する場合、面積線量から患者入射皮膚表面吸収線量への変換が以下の式で必要となる。しかし、装置の自動化により随時変化する照射条件やフィルタ付加により実効エネルギーを把握することは困難になっており、正確な皮膚表面吸収線量を算出することは難しいといえる。

ESD=(DAP/FPDΦ)(FID/FSD)2・BSF・(μen/ρ)Tiss/(μen/ρ)Air

ここで
ESD:入射皮膚線量,DAP:面積線量計の表示値,FPDΦ:FPD面での照射面積,
FID:焦点−FPD間距離、FSD:焦点−皮膚間距離,BSF:後方散乱係数,
(μen/ρ)Tiss/(μen/ρ)Air:組織線量変換係数

最近の血管撮影装置には面積線量計が搭載されており、ヨーロッパではその搭載を義務付けられている。面積線量計の利点としてはリアルタイムに被曝線量が把握できることや積算線量が得られることなどが挙げられ、直接患者に測定器を設置しなくて
も患者の皮膚表面吸収線量を推測することができる。
面積線量計の考え方は右図の通りである。